活用事例 : 札幌学院大学/人文学部 小出研究室

ひとりでおこなうeラーニングの教育コンテンツ発信。
 ―ThinkBoardを用いた実践的ケーススタディからの提案―

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札幌学院大学/人文学部 小出研究室

<論文からの抜粋>
著者はすべてのeラーニングシステムを試したわけではないが、現状のeラーニングシステムを簡便さで見れば、今回使用したThinkBoardは最良の物もののひとつとして評価できる。

「ひとりでおこなうeラーニングの教育コンテンツ発信 : ThinkBoardを用いた実践的ケーススタディからの提案」 (2006)
札幌学院大学社会情報学部紀要 社会情報,Vol.16,No.1,1-15p.

<論文からの抜粋>

1.研究動機:一人の教員からの情報発信の必要性

教育コンテンツ作成のシステム開発は,人類にとって非常に重要な知的資産蓄積システムを提供することを意味している。
それぞれの教員が自分の専門分野で保有している教育コンテンツを,広く市民向けに,個人で,簡単に,安価におこなうことができれば,知的資産蓄積システムが開発できるはずである。

2.現状のeラーニングの問題点

(1)人手が必要:人手を要する多くの作業が不可欠
見栄えのするコンテンツにするには,一定以上のスキルや熟練が必要となる上、独力でおこなうとなると,膨大な労力と時間が必要となり、持続的に多くの教育コンテンツを作成することは不可能である。
(2)時間が必要:多くの設備と長い製作時間が不可欠
eラーニングによる教育を実施したいと考えた場合,実施するまでには,長い時間をかけて準備しなければできないのが現状である。
(3)特別な環境が必要:大容量サーバや高速ネットワークが不可欠
ネットワーク環境や特別な仕様のサーバが必要となる動画のストリーミングによる教育コンテンツを利用しようとすると,閲覧者も限られた環境にいる人に制限されてしまう。
(4)費用が不可欠:いいコンテンツには資金が不可欠
動画のストリーミングを用いた教育用コンテンツの制作をおこなうと,どうしても大きな教育組織で,人材,資金力を有するところでのみ,実施可能となり,個人では取り組めないものとなる。
(5)教育効果:実際の対面式教育を上回ることは困難である
教育現場で対面式の講義を受講している人の方が効果を上げている。従って講義の動画のストリーミング配信は,実際の講義を補完するためのものであると考えるべきである。

3.理想のシステム

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(1)いつでも、どこでも、だれでも、いくらでも
理想のシステムは,教師にとっても,受講者にとってもメリットがないといけない。その為には,「いつもで,どこでも,だれでも,いくらでも」というキーワードで示されるシステムが必要であろう。
大学教員は何らかの教育コンテンツを持っているはずである。その教育コンテンツを,いつでも,どこでも,だれでも,いくらでも作成できることが望ましい。また,作成された教育コンテンツは,いつでも,どこでも,だれでも,いくらでも,閲覧受講できることが理想である。
そのような理想のシステムとして,インターネットとコンピュータを利用したeラーニングと総称される手法が,現状では有効であろう。
(2)簡単に
実際の講義を記録,作成した一連のコンテンツは,重複の削除,不足部分の補充,個人情報や著作権に関わる部分などの削除などの編集をしていくことになる。このような一連の作業をひとつのソフトウェアによって,一度の手間でできることが望ましい。さらに配信の手続きも,同じソフトウェアの一連の操作で可能となることが理想である。これらを実現する理想的なソフトウェアがあれば,配信者である教員は,ひとつのソフトウェアに習熟すれば,簡単にeラーニング用コンテンツを制作,配信できることになる。

4.ケーススタディ

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上記の理想に近いシステムとして,ThinkBoardというソフトウェアがある。このソフトウェアは個人で導入可能なものとなっている。制作会社と著者との相談で上記の理想のシステムに近いものに改善された部分があり,よりよいものとなってきた。以下では,ThinkBoardを用いたケーススタディをおこなったので,その概要を紹介する。

(1)方法
著者が目指す新しいeラーニングの方法論は,実際におこなっている講義を,簡便に短時間(あるいは同時進行)で,忠実にデジタル記録していくことである。
(2)結果
今回のケーススタディで,コンテンツ作成は,実際に講義をおこなっているようなもの,あるいは過去に作成したものであれば,一人でも作成可能であることが1年間継続して実証できた。コンピュータの操作に慣れた教員であれば,今回使用したThinkBoardを用いることで,だれでもコンテンツは作成可能である。
(3)評価
eラーニングの理想のシステムとして,「いつでも,どこでも,だれでも,いくらでも,簡単に」コンテンツを作成配信できる専用のアプリケーションがあれば,今回のケーススタディで示したように実現可能であることが判明した。著者はすべてのeラーニングのシステムを試したわけではないが,現状のeラーニングシステムを簡便さでみれば,今回使用したThinkBoardは最良のものの一つと評価できる。

5.議論

大学の講義を一般市民に公開する場合の問題点をとらえ,eラーニングシステムの今後の展望を考えていく。
手軽にコンテンツ作成でき,それがサーバ上で公開可能となれば,市民への大学の公開として非常に有効な手段となるであろう。そのためには,コンピュータの操作がある程度できる人であれば,特別なスキルがなくても,コンテンツ作成可能なアプリケーションが必要であろう。そのようなアプリケーションが普及することで,教育用コンテンツが充実していけば理想のeラーニングとなるであろう。

6.まとめ

今回ケーススタディとしてThinkBoardを用いたeラーニングの方法は,教師が熱意をもって充実した講義をすれば,音声を通じて受講者は敏感に感じることができる。そして本研究で示したようなコンテンツを,「いつでも,どこでも,だれでも,いくらでも,簡単に」作成できれば,供給側の問題は解決されることが実証的に示せた。

お客様情報

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札幌文科専門学院の開学時に掲げられた建学の精神は、「学の自由」、「独創的研鑽」、「個性の尊重」です。この建学の精神に込められた息吹と気概は、その後の学園の発展の歴史を通じて脈々と受け継がれ、「自律・人権・共生・協働」を掲げる現在の札幌学院大学の理念に生かされています。

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